病院や医療施設、医療技術関連の自分用メモ

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双子の研究不正ガイドラインに潜む落とし穴

外資系企業に急速に変貌しつつある武田薬品工業の実情を報道しております。経済・経営誌では限界があると思いますが、今後はほとんどの部長職が外国人となった武田のパイプラインの分析をする必要があるでしょう。時代遅れの超大型研究所が、外国人マネージャーの投入で復活するのか? 販売力のグローバル化は見えてきましたが、研究開発・ライセンス力のグローバル化が本当にできるのか? 

 

次々と自前の研究開発組織をリストラするビッグ・ファーマの後を追うのか? 社外からのパイプライン獲得には膨大な資金力と目利きが必要ですが、世界16位の武田ができるのか? それともビッグ・ファーマへの幻想を捨てるのか? やっぱりここ暫く、武田薬品の動向から目を離せません。日本の企業で1社ぐらい、ビッグ・ファーマのマネーゲームに参戦できる企業があっても良いと思いますが……。

   

昨日の朝行われた厚生科学審議会技術部会に参加しましたが、とても興味深い、しかし、背筋がぞっとするような経験を致しました。安倍首相の音頭取りで、日本医療研究開発機構(AMED)が2015年4月1日に発足しますが、ただでさえ、各省庁毎の研究ガイドラインの乱立で頭が痛い状況なのに、ひょっとしたらAMEDも研究規制などに対して独自のガイドラインを作成し得ることが分かり、このまま暴走すると屋上屋に屋上を足すような存在にAMEDが怪物化するのではないかと、ぞっといたしました。賢明なるAMEDの皆さんには、厚生労働省文部科学省そして経済産業省が、先進医療に対して整備している研究・開発ガイドラインを総覧して、その最適なるものを選抜して、AMEDのガイドラインとして採用することをお勧めしたい。言わば各省がそれなりにベストと考え抜いたガイドラインを競争させて、選択する訳です。そして、AMEDが選択したガイドラインが日本の先進医療研究のデファクト・スタンダードとなれば、錯綜するガイドラインに研究者が悩まなくて済む好循環が生まれます。AMEDの主幹機能として設置される倫理的法的社会的問題

(ELSI)部門には是非とも頑張っていただきたい。予算の一括運用だけでなく、各省で同じ国家に属していながらも、微妙に異なるガイドラインや規制を一挙に整理いただきたい。4月1日に研究不正のガイドラインが施行されます。厚労省文科省では非常に似て非なるもので、この狭間で泣く研究者はあなたかもしれないのです。AMEDが動き出すまでは本当に注意しなくてはなりません。