病院や医療施設、医療技術関連の自分用メモ

病院や医療施設、医療技術関連の自分用メモ

核酸医薬の実用化、カウントダウンへ

核酸医薬は、mRNAやmiRNAなど、従来狙えない標的分子をターゲットにできる上、化学合成が可能であり特異性も高いという低分子と抗体の両利点を併せ持つため、ポスト抗体の主力として注目されてきました。

その開発の難しさから、撤退企業も一時は相次ぎましたが、2013年に米国でApoB100 mRNAを標的としたMipomersenが承認されるなど、核酸医薬品の開発が一気に進もうとしています。

日本企業も、日東電工が"肝硬変を対象にsiRNAのフェーズIbを米国で開始"と発表、第一三共は"デュシェンヌ型筋ジストロフィーを対象にアンチセンス核酸医薬の治験を2015年度にも開始"と発表するなど、核酸医薬実用化への機運が高まっています。

技術的にも、ドラッグデリバリーにおいて局所投与や核酸医薬品が集積しやすい臓器を対象にしたものから、各臓器へのターゲティングや細胞内へと核酸を移行させる技術開発が進んでいます。

そこで、核酸医薬品の開発・実用化のためのガイドラインが存在しないという、規制面での課題が浮上してきました。

 

今回は、「基礎から臨床へのステップ」という副題の通り、実用化に向けての現実的な話題が中心でした。

 

九州大学の佐々木教授は、核酸医薬の技術マップをボナックにこれまでの開発経緯を、住友化学に製造面での課題を、北海道大学の荒戸教授から、規制の方向を解説。

4月以降の研究開発費の流れを説明します。